ドゥアラ→ニアメ
ドゥアラ空港の夜明け
T.K機長は、したたか酔っ払って、朝帰りです。
愛機に帰ると、眠たげな目をした久美子ちゃんが待っていました
「やあ、おはよう、よく眠れたかね。」
「眠れるわけないでしょう、いくら熱帯でも、夜は冷えるのですよ、燃料節約のために暖房は入れられないし。それに襲われるんじゃないかと気が気ではなかったわ。」
「え、だ、誰に襲われるの?」
「おまえじゃー」
彼女は、びしっと機長を指差した
「な、なにをおっしゃる、久美子ちゃん、あれは誤解だよ、きみが寒そうにしているから毛布を掛けてあげようとしただけじゃないか。」
うろたえる所を見ると、未遂の前科があるようだ。
「と、とにかく、今回はニアメに飛ぶから」
「ニアメ、って」
「えーと、ニジェールの首都で、同国西岸部、ニジェール川左岸にある町…」
「え、ニジェールて、北じゃないですか、これからは大西洋を渡るため、西へ向かうんじゃないのですか」
「久美子くん、よーっく聞き給え」
機長は、久美子ちゃんの肩を抱き、北方を指しながらいった。
「そこに未踏の大地が我々を待っているのだよ、それを見捨てて、アフリカを去るわけにはいかんだろう、夕日に沈むジブラルタル海峡を見ずして、何がアフリカ縦断であろうか」
久美子ちゃんは、肩に回した機長の手を、払いのけながら、ため息をついた。
「また、虫のいいことを言ってる、どうせ、アルジェのカスバあたりで飲めるとでも思ってるんでしょう」
「ま、ま、では、そういうことで、これをよろしく」
機長が、差し出したものは、1枚ののプラカード。そこには、英語と現地語でこう書かれていた。
[ニアメまで、他社の半額、早い者勝ち、本日13時出発]
あわれ、久美子ちゃんは、これを掲げて、チケットカウンター横で、客を探すのでした。

久美子ちゃんが、一生懸命、乗客を集めている間、T.K機長は操縦席でぐっすり惰眠を貪っておりました(整備ぐらいしろよ)
で、我が機は、定刻どうり出発です。

久美子:「ドゥアラの町並みもこれで見納めね」

ナイジェリアに入ってから、ニジェール川を遡ります

機長:「久美子ちゃん、ニアメの町が見えてきたぞー、そろそろ着陸じゃー」
久美子:「わかりました、機長。今回は宙返りはありませんでしたね」
機長:「いや、AP入れてから、ちょっと思索にふけってたもので・・・」
久美子:「寝てたなー」

機長:「お。久しぶりにきれいにILSに乗ったぞ」

機長:{タッチダウン、あわわわわ」
久美子:「きちょー、すごく揺れましたけど、大丈夫ですか」
機長:「ちょっと、ワンバウンドしちゃった」
久美子:「野球じゃーねーよ」

機長:「えー、当機は無事にニアメ Diori Homani空港に到着しました、ご搭乗ありがとうございました」
久美子:「無事じゃね〜よ〜、10人も頭にたんこぶを作ってるのに」