ここでは地域にある様々なサービスについてご紹介します。
不登校をめぐる環境


上の図は不登校をめぐっての、本人を中心にした環境図です。
本人の周りには様々な機関やサービスがあります。
ではひとつひとつ見ていきましょう。
本人とその身近な環境
教育系機関  福祉系機関  医療系機関  司法系機関
心理系機関  民間団体・サービス  宗教系機関
世間の目・世間体

  • 本人とその身近な環境
    • 本人
      1番中心にいる1番大切な人です。
      このアウトリーチ神戸の環境図では本人を中心に考えます。
      しかし、機関やサービスによっては違うところに中心を置くところもあります。
    • 家族
      本人の一番身近にいる人たちです。
      本人と生活全般で繋がっています。また、感情面でも深い繋がりがあります。
      本人には本人の、家族には家族の想いがあります。
    • 友人
      「友人」とは「本人が心を通わせている人」と考えてください。
      性別、年齢関係なく、本人はその人のことを大切に思い、
      友人も本人のことを大切に思っている、そんな対等な関係です。
      お互いを大切に思いあう友人の存在によって、元気になることは多くあります。
  • 教育系機関

    教育系機関の特徴は4つあります。

    教育系機関は基本的に不登校を「問題」ととらえます。
    そのため、一般的な対応としては、不登校の子どもに対して
    学校復帰を目指した指導を行います。

    教育の基本は「教え、導くこと」にあります。
    不登校を「問題」ととらえ、「教え、導く」という教育の基本が重なると
    「学校復帰に向けての指導」が行われることがあります。

    「教え、導く」「指導」というのは「先生」が「生徒」に対して行うものです。
    先生と生徒の想いが同じなら、生徒は先生にしっかりついていくことができます。
    これがずれてしまうと生徒も先生もしんどくなってしまいます。

    本人の在籍校(原籍校[げんせきこう]とも呼ばれます)と教育系相談機関との
    連絡が密に行われます。

    • 学校
      本人が在籍する学校です。
      基本的に不登校を「問題」と考える傾向があります。
      しかし、実際の本人や家族への対応は、学校ごと、先生ごとに違います。
    • 教育委員会
      組織内に、不登校に関する相談機関を設けています。
      相談員は指導主事(ここでの指導は教師を指導する立場、という意味)など
      教育者のベテランがあたられます。

      神戸市教育委員会の教育相談へのリンク(「教育相談指導室」のページをご覧ください)
    • 適応指導教室
      ここでいう「適応」とは「学校に適応する」「集団に適応する」という意味です。
      不登校の子どもたちを「学校不適応児童・生徒」や「集団不適応児童・生徒」などと
      呼ぶことからきています。

      もともとこの「適応」という言葉は心理学や福祉学の用語です。
      現在、心理学や福祉学では「適応」を「環境と本人とが影響を与え合って、
      双方が最適な状態を作り出すこと」ととらえています。

      つまり、不登校でいえば、本人だけが学校などの環境に合わせるのではなく、
      その逆に、学校などの環境だけが本人に合わせるのではなく、
      お互いが変化し、調和することを「適応状態」と考えるのです。

      心理学や福祉学では「適応」を「指導する」という考え方はあまりありません。
      教育系機関なので「適応」を「指導する」という名称になっています。
      適応を指導する対象は本人とその家族です

      名前の表す理念は以上ですが、実際の運営理念、運営方法は教室によって
      かなり違います。教室の方針や雰囲気など確認が大切です。

      適応指導教室に出席すると、本人が在籍する学校(原籍校)に出席したのと
      同じ扱いになります。

      神戸市教育委員会の適応指導教室へのリンク
    • 文部科学省
      教育行政全般を行っています。本人や家族が直接かかわることは、ほとんどありません。
      しかし、適応指導教室など不登校関連施策のほとんどをここが行っており、
      影響力は非常に大きなものです。

      文部科学省へのリンク(上部のサイト内検索で「不登校」などキーワードで検索してください)
  • 福祉系機関

    福祉系機関の特徴は3つあります。

    本人だけに着目するのではなく、周りの環境も同じだけ考慮にいれます。
    不登校では本人に限らず、家族や学校など環境の状態も考慮します。

    本人だけでなく家族や学校などの環境にも具体的な行動を行い、働きかけます。
    それにより、本人と環境両方の変化をうながします。
    その目標は、本人と環境のどちらか一方だけが折れることなく、調和することです。

    福祉は「援助」を行います。「援助」という考え方は、
    「援助の中心はあくまでも本人である。援助者(専門家)ではない」
    (本人の気持ちに援助者がついていく)というものです。

    ですから福祉では、本人や家族のみなさんを「利用者さん」と呼んだりします。
    これは、みなさんがサービスや援助者を利用し、活用していくという意味が
    込められているのです。

  • 医療系機関

    医療系機関の特徴は3つあります。

    医療機関は「病気の治療」を目的とします。「治療」とは「治すこと」ですが、
    最大の特徴は「薬で治すこと」です(中には薬を使わないお医者さんもおられます)。

    治療は「医者が患者を治す」のが基本です。従って「患者が医者についていく」
    という関係になります。しかし、近年インフォームド・コンセントによって、
    できるかぎり本人や家族の意向を尊重する(「医者と患者が共に治す」)流れに
    なってきています。

    そもそも不登校は病気なのか?医療機関にかかるべきなのか?という議論があります。
    その点については「不登校は病気ですか?」をご覧ください。

    • 病院・診療所
      まず、病院と診療所の違いですが、単純に規模の違いと考えて結構です。
      時々、「病院だから高度な治療を行い、診療所はそんなに医療技術は高くない」
      と考えておられる方がいますが、そんなことはありません。

      「受診するとして、何科に行けばいいのか?」という問題があります。
      この点について詳しくは「医療機関は何科を受診すればいいのですか?」を
      ご覧ください
  • 司法系機関

    司法系機関の特徴は4つあります。

    司法機関は法律に基づいて「判断すること」、「裁くこと」、
    「罰すること」を主な機能としています。
    しかし、「立ち直らせること」も重要な機能と位置づけられます。

    実際に犯罪を犯してなくても、主に家庭内暴力を伴う不登校や、
    家出を伴う不登校についての相談などを受付ています。

    しかし一般的に言って、家族が司法系機関に相談した場合、
    本人の抵抗感はかなり高いものになるので注意が必要です。

    また、憲法に基づいて、子どもたちの人権を守ることも
    司法系機関の役割です。

  • 心理系機関

    心理系機関の特徴は3つあります。

    まず確認しておきたいことは、「カウンセラーの国家資格は無い」
    ということです。(現在、国家資格化の動きはあります)
    現段階では、誰でも今日から「私はカウンセラーです」と言えてしまいます。
    その結果、街には「カウンセリングを行います」という機関や民間団体が
    数多くあります。
    しかし、そこにいるカウンセラーの力量には非常に大きな幅があります。
    カウンセラーを選ぶときには注意が必要です。

    国家資格ではありませんが民間の資格として「臨床心理士」があります。
    この臨床心理士はスクールカウンセラーとして多くの方が活躍されています。
    また、臨床心理士はスクールカウンセラーだけでなく、福祉系機関の
    児童相談所や医療機関の病院や診療所にもおられます。
    臨床心理(一般にいうカウンセリング)の専門家と言っていいでしょう。

    (財)日本臨床心理士資格認定協会のホームページへのリンク 「臨床心理士とは」のページををご覧ください

    まだまだ臨床心理士の数は十分ではありません。
    しかし、スクールカウンセラーをはじめ、福祉系機関の児童相談所や
    医療系機関の病院・診療所には「心の専門家」がおられます。
    それらの機関を訪問すれば、サービスを得ることができます。

    「カウンセリング」という言葉をよく聞きますが、「心理療法」の
    中の一分野と言えます。
    心理療法については、「心理療法とは何ですか」をご覧ください。

    • スクールカウンセラー
      平成7年度から各学校に配置が始まった臨床心理の専門家です。
      現在、神戸市では中学校に派遣されています
      (本人が小学生の場合でも相談は可能です)。

      子どもたちはもちろん、保護者や教師のカウンセリングも行っています。

      文部科学省はスクールカウンセラーの設置には前向きです。
      しかし、まだスクールカウンセラーの人数も少なく、
      全小中学校に配置するまでには至っていません。
      また現在配置されている学校でも、カウンセラーが
      常に学校にいる体制にはなっていません。

      スクールカウンセラーは精神科医や臨床心理学の専門家など心の専門家が
      担当しています。特に臨床心理学の専門家は「心理療法」を行い、
      相談者を援助します。

      心理学には、いろいろな学派や技法がありますが、基本的には
      相談に来た人の心に焦点を絞り、心を変化させることによって
      問題や課題を解決しようとします。

      詳しくは、「心理療法とは何ですか」をご覧ください。

      「指導」を基本とする学校の中にあって「援助」を行う専門家です。
      (「指導」については「教育系機関」の特徴を、
      「援助」については「福祉系機関」の特徴をご覧ください)
    • 大学内相談室
      大学内に設けられた相談室です。臨床心理学系を教えている大学に
      設置されている場合があります。在学生だけでなく、一般の人たちの
      相談を受け付けているところがあります。

      大学内相談室は学生の実習を行う場でもあります。
      ですから相談担当者が臨床心理学を学ぶ大学院生の場合があります。
      しかし、必ず教員や大学院修了者の指導を受けています。

      実習の場だということもあり、利用料金は無料から低額のところが多いです。
    • カウンセリングオフィス
      ここでいう「カウンセリングオフィス」とはカウンセラーが開業し、
      独自に運営している機関のことをさします。

      注意したいことは特徴のところでも紹介したとおり、現在カウンセラーの
      国家資格がないため「自称カウンセラー」として誰でも開業できてしまう
      ことです。開業しているカウンセリングオフィスを判断する時には
      臨床心理士の資格を持つ人がいるのかどうかが、判断の目安になるでしょう。

      また『臨床心理士に出会うには』という本も発行されています。
      この本には開業された臨床心理士の情報も載っています。
      大きな書店に行けば心理学の棚においてあります。
      参考にご覧になってください。
  • 民間団体・サービス

    民間団体の特徴は次の点です。

    民間団体は多種多様にあります。民間団体は自分たちの考え方に
    従ってサービスを行っています。ですから、利用する際には
    「どんな考え方に基づいてサービスを行っているのか」を
    見極めることが必要です。

    判断基準としては・・・

    ・実際に提供されているサービスの内容は具体的にどういうものなのか。
    ・実際に利用している人たちはどんな人たちなのか。
    ・そこで働いている人たちの考え方や方法、想いはどういったものなのか。
    ・サービス利用料金はいくらなのか。
    ・機関やサービス自体は使いやすいのか(場所・利用時間など)。
    ・みなさんの好みにあいそうか。

    といったことです。

    また、不登校に関しては、次のような判断基準も考えられます。

    1. 不登校を「悪」と考えるか、「善」と考えるか。

      この点は団体によって考え方が大きく違います。
      また不登校を考える上で重要なポイントです。

      「悪」と考える団体は「不登校は一刻も早く脱出すべきことです。
      このままでは世間の落ちこぼれになりますよ。私たちの所にくれば、
      落ちこぼれにならなくてすみますよ」と言うでしょう。

      「善」と考える団体は「不登校の子どもたちこそ、次の時代を
      担う子どもたちです。学校が(教育制度が)悪なのです。時代遅れです。
      学校に戻る必要などありません。私たちのところにくれば新しい生き方が
      できますよ」と言うでしょう。

      極端な言い方を2つ書きましたが、それぞれの団体は、
      この極端なポイントからポイントまでのどこかに位置してきます。

      この極端な2つの考え方には部分的に正しいところもあると私は思います。
      ですが不登校は「悪」であるか、「善」であるか、という二者択一は
      成り立つのでしょうか?

      そもそも「不登校は悪である」「不登校は善である」と言った時、
      「不登校の子どもは悪だ」「不登校の子どもは善だ」と本人の評価に
      繋がってしまします。それは本人のためになるのでしょうか?

      アウトリーチ神戸はこう考えます。不登校は悪でも善でもありません。
      今、本人が「必要だから」学校に行かない(行けない)だけなのです。

      一番大切なことは学校に行かない(行けない)本人の気持ちです。
      それは「悪」とか「善」で割り切れるものではありません。
      本人ではない誰かが「不登校(の子ども)は悪だ」とか
      「不登校(の子ども)は善だ」という意味づけをすることは
      本人の生き方を大きく制限する場合があります。
      自分の意味を見つけていくのは自分自身なのです。

      アウトリーチ神戸は自分自身の意味を自分の力で見つけようとする
      本人や家族を支えます。
    2. 学校復帰を前提とするのか、しないのか。

      この点は「不登校を悪と考えるのか、善と考えるのか」に
      繋がるところがありますが、ぜひ確認しておきたい点です。

      学校復帰を前提とした団体の場合、それに向けた指導や援助が
      行われます。「前提」としているからには「学校復帰」が指導や
      援助のゴールになります。本人や家族が学校に行きたくない
      (行かせたくない)場合にも、学校復帰を目標とした指導や援助が
      行われます。

      学校復帰を前提としない団体には2タイプあります。
      1.「学校に復帰しないこと」を前提にしている団体。
      2.そもそも前提を設けない団体。

      1.は「学校や教育制度が悪だ」と考えたり
      「不登校(の子どもたち)は善だ」と考えたりする団体に
      見受けられます。本人や家族が学校に行きたい場合にも
      学校に行かないことを勧められます。

      2.がアウトリーチ神戸の考え方になります。
      そもそも「前提を設ける」ということは、本人や家族が
      自分たちの生き方を見つけ、決めていく、ということに反します。
      前提を設けた者(つまり団体の運営者)がゴールを決めることに
      なるからです。

      私たちは本人や家族の考えや想いを大切にします。
      ゴールを初めから決め付けることはしません。
      みなさんが自分にとってよりよい選択を、迷いながら、
      間違えながらしていっていいのです。
      その道程を私たちは共に歩みます。
    3. スタッフは専門家かそうではないのか。

      団体のスタッフが専門家かそうではないのかも基準になります。
      ここで大切なことは「専門家だからいい、専門家じゃなければダメだ」
      ということはない、ということです。

      私も含めて専門家はどうしても「分析」や「分類」をしてしまいます。
      しかし本人や家族は一人の人間です。そう簡単に「分析」や「分類」が
      できるわけはありません。もし、簡単に出来ると考える専門家がいるなら
      それは、生きている一人の人間をあたかも「分析できる・分類できる物」
      として見ているのではないでしょうか? それはその人の人間としての
      存在を否定していることになります。

      かたや、専門家でない人は「分析」や「分類」をすることなく
      「その人のありのまま」を受け入れようとする人がいます。
      そのような人は専門家にはない貴重な力を本人や家族に与えます。
      しかし、自分の価値観や経験がもとになっていることが多いため、
      「相性が合えばうまくいくが、合わないとだめ」という状況が
      しばしば起こります。

      アウトリーチ神戸は専門家が援助します。
      援助方法は専門的な援助を提供します。
      しかし、できるだけみなさんの「ありのまま」を受け入れようと
      努力します。そして、他の関係者にもそれを伝えていきます。
    4. その団体のバックグラウンドは何か。

      団体には必ずバックグラウンドがあります。
      ここでいうバックグラウンドとはその団体の基礎となる考え方を
      指しています。
      アウトリーチ神戸のバックグラウンドは「福祉」です。

      バックグラウンドの種類には「福祉」の他に「教育」、「医療」、
      「心理」、「司法」、「宗教」などがあります。

      また民間の団体では「自分の不登校経験」「自分の子どもの不登校経験」が
      バックグラウンドのところも多くあります(アウトリーチ神戸の代表者も
      「自分の不登校経験」からこの仕事を立ち上げました)。

      アウトリーチ神戸が他の団体のサービスを見るとき、このバックグラウンドを
      見ることにしています。意識しているにせよ、意識していないにせよ、
      バックグラウンドはその団体の活動の基礎を成しているからです。

      アウトリーチ神戸を例にすると、代表である私は不登校経験者です。
      私の初めのバックグラウンドは「自分の不登校経験」です。
      しかし、私は「自分の不登校経験の範囲は限られたものだ」と
      考えていました。ですから、自分の経験が他の人にそのまま役立つとは
      思えなかったのです。そこで「福祉」を学び、より一般的な援助の考え方を
      学びました。「自分の不登校経験」にプラスして「福祉」のバックグラウンドを
      得た上でアウトリーチ神戸を立ち上げました。

      しかし「福祉」も万能ではありません。得意とする範囲、適用できる範囲が
      あります。「福祉」が得意としない範囲、適用できない範囲のことは、
      他の「教育」や「医療」、「心理」、「司法」などと連携します。
    5. 本人や家族がスタッフについていくのか、スタッフが本人や家族についていくのか。

      団体のサービスを受ける場合、この点も重要になります。
      どちらが良くて、どちらが悪い、というわけではありません。

      まず、「本人や家族がスタッフについていく」場合は、
      本人や家族の考えや想いと、スタッフの考えや想いが
      一致していると効果は大きいのですが、ズレてしまうと
      かなりしんどくなってきます。スタッフの側の考えや想いが
      しっかりと固まっている場合、本人や家族の考えや想いを、
      スタッフに合わせなければならない場合があります。
      その時には、本人や家族の負担が大きくなります。

      次に「スタッフが本人や家族についていく」場合は
      本人や家族が自分たちの道を自分で決めていくための
      自由があります。しかし、自分のことは自分で決める、
      というのはかなりしんどいものです。しかし「スタッフが
      本人や家族についていく」場合、スタッフは本人や家族の
      しんどさ、迷ったり間違えたりするしんどさも含めて
      本人や家族を支え、援助していくのが特徴です。
      アウトリーチ神戸はこちらになります。

      主に「教育」「医療」をバックグラウンドにしている団体は、
      「本人や家族がスタッフについていく」形になります。
      主に「福祉」「心理」をバックグラウンドにしている団体は、
      「スタッフが本人や家族についていく」形になります。
      しかし、現代では一概には言えなくなってきました。
      大切なことは、その団体が「本人や家族がスタッフについていく」
      「スタッフが本人や家族についていく」そのどちらに比重を
      おいているのかを見極めることです。
    6. 本人や家族が団体のところに行くのか、その団体が本人や家族のところに来るのか。

      団体のサービスはどのようにして受けられるのか、その中で
      このポイントが出てきます。これもどちらが良くて、
      どちらが悪い、というわけではありません。

      まず、「本人や家族が団体のところに行く」ということですが、
      ほとんどの団体のサービスがこのやり方をとっています。
      教育相談や医療機関の診察・治療、心理療法などはこのやり方が
      ほとんどです。

      次に「その団体が本人や家族のところに来る」ということですが
      このやり方をとるサービスはまだまだ少ないのが現状です。
      ボランティアでのサービスはあっても専門家のサービスは少ないです。

      初めにも書いたように、どちらが良くて、どちらが悪い、というわけ
      ではありません。

      本人が同年齢の仲間と過ごしたい場合、「本人が団体(仲間)の
      ところに行く」ということこそ大切ですし、「家庭の外に出て行く」
      ということがリフレッシュにつながることもあります。

      団体の方から本人や家族のところに来るサービスは、外に出て行く
      ためのエネルギーは必要としませんが、迎え入れるエネルギーが
      必要になります。特に本人が他人を家に迎え入れるのを嫌がる場合、
      迎え入れることには特に注意が必要です。それは、家が不登校の本人に
      とって「最後の砦」となっていることがあります。そのときに他人を
      迎え入れることは最後の居場所を奪う可能性があります。
      このようなことは絶対にあってはならないことです。
      アウトリーチ神戸では、訪問援助は原則、本人の同意が必要です。
      これは本人の「最後の砦」を守りたい、という想いがあるからです。
      もし、本人の同意が得られないまま援助を始めざるを得ない場合でも、
      出来るだけ初期の段階で同意を得ます。

      本人や家族が団体のところに行くにせよ、団体の方から本人や家族の
      ところに来るにせよ、大切なことはみなさんが「今、自分たちに必要な
      サービスはなにか」を見極め自分たちから外に出て行って得る時なのか、
      外からサービスを迎え入れる時なのかを判断することです。
    • フリースクール・フリースペース
      民間団体の代表的なものです。フリースペースとフリースクールには
      厳密な違いはありません。

      しかしフリースクールにはある程度のカリキュラムやプログラムがあり、
      学校とは違う「学習の場」を意識した側面があります。

      フリースペースは何か目的をもって参加することよりも、
      家庭でも学校でもない「居場所」を確保することを意識した側面があります。

      フリースクールの中には、在籍している学校に出席したことと同じ扱いを
      うけるところもあります。また、そのフリースクールへの通学には
      学割定期が購入できることがあります。ただし、在籍校の校長が
      認めなければなりません。実際には学校復帰が前提条件となることがあります。

      運営しているのは学習塾を経営している企業から、自宅を開放している
      不登校の子どもを持つ親の方まで様々です。規模の大小に関わらず
      運営者の価値観や考え方想いを知ることは重要です。利用を考えるとき
      には自分たち(特に本人)との相性を十分に考慮してください

      サービスの内容、サービス利用料金、利用時間は団体によってかなり
      違います。
    • 親の会
      不登校の子どもを持つ親の会です。
      親の会は「自助グループ」や「セルフヘルプグループ」などと呼ばれます。
      つまり、「不登校の子どもを持つ親同士が共に支えあう会」なのです。
      会には専門家がいる場合もありますが、会の運営は主に親の方々が
      あたられていることが多いのです。

      親の会に参加し、自分の子どもの不登校体験を話すと、かなり気持ちが
      楽になります。家庭の中に閉じこもり「この気持ちは誰にも分かって
      もらえない」と思っているとき、同じような思いをしている人たちに
      話を聞いてもらうだけで、かなり気持ちは楽になるものです。

      親の会も、会ごとの価値観や考え方があります。雰囲気をよくつかんで
      参加してください。
    • 塾・予備校・家庭教師
      不登校生を対象とした塾や高校卒業程度認定試験予備校、家庭教師の
      サービスはかなり増えてきました。これらのサービスを受ける場合は、
      初めにあげたサービスの判断基準が重要になってきます。よく調べ、
      検討したうえでサービスを受けることが大切です。特に費用の面では
      「1年間の学費を先払い」というところや、「解約しにくい契約条件」
      が盛り込まれている場合など、注意が必要です。

      塾・予備校・家庭教師は勉強を教えるサービスです。心のケアは
      付随的なものです。「不登校生対象」としている場合には、
      何らかのケアがあると思われます。しかし、この部分はその団体に
      よってかなり大きな差があります。心の面での支えは重要ですが
      「不登校生対応」を謳っておきながら全く配慮がなされない
      ところもあります。逆に、カウンセリング技術を持つ専門家を
      配置している団体もあります。契約を結ぶ前に体験入学などで
      本人も家族も納得することが大切です。
  • 宗教系機関

    宗教系機関の特徴は3点あります。

    宗教は不登校状態を「教育」や「医療」、「福祉」、「心理」、「司法」とは
    違う側面から見ます。深い洞察を得られることがあります。

    様々な宗教団体が相談を受け付けています。主に面接による相談を行っています。

    もし、あなたが特定の宗教に入信しているなら、そちらに相談するのもいい
    と思います。
    特定の宗教に入っていない方も、宗教系機関の相談を申し込まれることは、
    団体によっては可能です。ただし、注意することは宗教の特徴として、
    あなたの価値観や人生観、世界観を大きく規定する可能性があります。
    本来持っている自分の価値観や人生観・世界観を生かせるところを選ぶことが
    重要です。
  • 世間の目・世間体

    世間の目・世間体については2つのポイントがあります。

    意識していなくてもこの「世間の目・世間体」は私たちに大きな
    影響を与えています。

    「世間の目・世間体」を考慮することが必要な時もあります。しかし、
    気をつけたいのは「世間の目・世間体」で自分を縛りつけたり、誰かを
    (特に本人を)縛り付けたりしないことです。

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