偽装農家(神門善久、飛鳥新社)
偽装農家、デタラメな農業委員会、農水省などの実態は実に苦々しい。農地を調べ直せという提言も納得できる。しかし、著者には経済合理性という基準が欠落しているために、トンガのカボチャを買えとか主観をぶちまけているに過ぎない主張も多い。ユニクロの失敗は挙げているが、スーパー各社の取り組みには触れず、農地法改正を全て悪であるかのように説いている。薄い本で簡単に読めるが、本題の3章以降だけでよい。 (2009.9.10)ヤバい経済学(スティーヴン・レヴィット、スティーヴン・ダブナー、東洋経済新報社)
著者の1人は完璧な経歴を持ちながら変なテーマを追い続ける異端の経済学者。計量経済学の手法(詳しく書いてないし知っている必要も無い)を使って、不動産屋の背信、教師のインチキ、罰金の予想外の効果など、インセンティブのダークサイドをえぐる。(2006.5.12)マツダはなぜ、よみがえったのか?(宮本喜一、日経BP社)
とびきりのユニークさと技術を持ちながら、経営の規律を欠いてどん底に堕ち、フォードの傘下で復活したマツダ。RX−8開発秘話など、マツダファンでなくても引き込まれる。宇品工場の火事も乗り越えてほしい。(2004.12.22)経済学で読み解く土地・住宅問題(山崎福寿、東洋経済新報社)
賃貸住宅が持ち家より狭いのはなぜか。借地借家法や相続税制の問題点は何か。短期賃借権と貸し渋りの関係とは。土地と住宅に関わる諸問題を経済学の考え方で平易に説明した好著。(2002.1.31)アップル 薄氷の500日(ギル・アメリオ、ウィリアム・サイモン、ソフトバンク)
アップル前CEOによる企業再建への苦闘の物語。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、管理職達との人間ドラマもあり、マスコミの「ジョブズがアップルを建て直した」という話を鵜呑みにする前に読む価値あり。
非選抜アイドル(仲谷明香、小学館101新書)
「みんな、同じ豊かな時代のゆとり教育世代で、程度の差こそあれ、どこか『のほほん』と生きてきたところがあった。(中略)それにどこか疑問を感じていたということ。『このままでいいのだろうか?』という物足りなさを感じていたということ。ゆとりをもった生き方そのものに、言いようのない危機感を感じていたということ」 . . . 大人が作った偽りのゆとりは、若い子たちに見透かされていた。(2012.4.30)機長の「集中術」(小林宏之、阪急コミュニケーションズ)
集中力ややる気にムラがある(概して低い)私はその手の本を何冊か買って読んだが、医者でも研究者でもない元パイロットの著者の話が最もしっくり来るような気がする。集中力は自分をコントロールする力で、訓練で高められるスキルだと説く。(2010.4.9)民主党のアメリカ 共和党のアメリカ(冷泉彰彦、日経プレミア(新書))
民主党と共和党の違いと言えば、大きな政府か小さな政府か、規制や中絶に関する意見の相違が思いつくが、それらの背景にある考え方を建国時にまでさかのぼって、南北戦争や第二次大戦、支持層の入れ替わり、ハリウッド映画やビジネス界の話も交えて解説する。(2008.12.21)フリーズする脳(築山節、生活人新書) 脳神経外科医の著者が、様々な業界のビジネス人など10のケースとともに、ボケの予備軍としての「フリーズする脳」を論じる。同じ著者・新書の他の2冊(対策に重点を置いた本とライフハックスっぽい本)もグッド。(2008.9.20)
タイムハック! 劇的に生産性を上げる「時間管理」のコツと習慣(小山龍介、東洋経済新報社)
近年たくさん出たハックスものを初めて読んだ。真面目に読んだのは3章「時間効率ハック」だけだが、ルーチン的な仕事と創造的な仕事で「音楽はトランス系とジャズ系を用意する」など、何となく感じていたことを明確に指摘してくれた。この章だけでも有益。(2008.7.1)経済財政戦記(清水真人、日本経済新聞社)
郵政選挙後の改造内閣、上げ潮派の竹中・中川と堅実派の与謝野・谷垣の暗闘、巻き込まれつつ抗う諮問会議の民間議員や福井日銀総裁。どちらにも軍配を上げかねる小泉。復党問題でつまづき、求心力を失っていく後継首相の安倍。放り出し辞任で官邸主導もパーか。(2007.9.29)漢文の素養(加藤徹、光文社新書)
古代から現代に至る、漢字と漢文をめぐる教養ガイドブック。聖徳太子と隋の煬帝、明の太祖と懐良親王の間で緊張する日中関係や、留学中に学んだ孫子で恵美押勝を討った吉備真備、果てはドラえもんの漢字表記など、硬軟様々なエピソードを多数紹介する。(2007.2.12)官邸主導(清水真人、日本経済新聞社)
5章の諮問会議の闘いも面白いが、圧巻は6章。橋本政権で、土壇場での郵政「公社化」の裏には橋本と小泉の対決があった! 小泉首相はいざとなれば就任時の公約通り党を割るだろうと思ってはいたが、03年の総裁選のとき首相はすでに腹をくくっていた。力作。(2006.1.11)決断力(羽生善治、角川oneテーマ21)
将棋指しの世界は、意外に勤め人などと通じるものがある。逆に、厳しい勝負の世界も垣間見られる。社会に出て数年以上たった人にお勧め。(2005.8.10)水彩画プロの裏ワザ、同PART2(奥津国道、講談社)
1作目を読んだのは一昨年。画集のようでもあり、見ているだけでも楽しい。PART2では紀行文などの工夫に加えてテクニックの公開にも更に努めている。(2004.5.4)水彩画 これであなたは上手くなる(北条章、学研)
著者がイタリアへのスケッチ旅行で描いた絵を作成過程やテクニックと共に解説する。旅の雰囲気も伝わって面白い。(2004.1.26)「反日」を捨てる韓国(呉善花(オ ソンファ)、PHP研究所)
表題のテーマを扱う第1章「『過去のいきさつ』の終わり」、韓国語の抱えるジレンマを述べた第2章「文化崩壊を招いたハングル」(以上98〜99年雑誌掲載)、書き下ろしの第3章「日本なくして韓国なし」を収録。漢字復活には大賛成だが、日本語流の訓読み導入の主張は意外で面白い。(2000.3.16)
織田信長 戦国最強の軍事カリスマ(桐野作人)
少年期から本能寺までの信長とその周辺を、研究者の視点で古い定説や俗説を糺し、近年の定説を自身の意見も織り交ぜながら記す。四国政策の転換や斉藤利三の断罪に加えて、光秀の脳裏に本願寺降伏後に追放された佐久間信盛のことがあったというのは同感。一方で、中華皇帝を目指した云々は元資料はフロイスの記述しかないようで、疑問が残る。 (2012.4.8)河内源氏(元木泰雄、中公新書)
源氏の嫡流を中心とした武士達の生存をかけた闘い。八幡太郎は後半生、出来の悪い息子達に悩んだのは知っていたが、実際はそれどころではなかった。後三年の役で滞納した官物の支払いに苦労し、弟・義綱とは対立してあわや京都で大戦争、嫡男・義親は濫行で配流(のち反乱、敗死)。没落した河内源氏の立て直しに努めた義朝の再評価も面白い。 (2011.12.1)海戦からみた日露戦争(戸高一成、角川oneテーマ21(新書))
丁字戦法は黄海海戦で失敗し、日本海海戦では使われなかった。三笠の司令部が混乱する中バルチック艦隊と接近し、とっさに行われたのが「東郷ターン」だった。最近の研究をもとに明かされる海軍と日露戦の真実。連繋機雷なるものを本書で初めて知った。彼我の艦隊編成表や海戦図があるのも良い。 (2011.1.8)戦艦比叡(吉田俊雄、光人社NF文庫)
大和、武蔵は役立たず。最も奮闘した戦艦は、艦齢は古いが空母機動部隊に同行できる高速戦艦、比叡などの「金剛型」だった。その特異な経歴と太平洋での奮戦、無念の最期までを記す。(2009.10.15)密謀(藤沢周平、新潮文庫)
藤沢版直江兼続。秀吉・三成の豊臣政権と家康の覇権争い、それに巻き込まれながらも意地を通そうとする上杉主従。やはり景勝の決断には疑問が残る。個人的には上泉泰綱の出番をもう少し期待したが。(2009.5.29)江戸三○○藩 最後の藩主(八幡和郎、光文社新書)
幕末と維新後の殿様たちをめぐる環境を解説し、最後の殿様たちの行動を紹介する。主観爆発の困った本だが、結構楽しめる。コラムや地図で提供される情報も良い。(2004.6.13)日本海軍の興亡(半藤一利、PHP文庫)
東郷や秋山の陰に隠れた日本海海戦の殊勲者、藤井較一。軍縮条約に賭けた加藤友三郎と、その成果を葬った昭和の軍人達。そして太平洋での死闘。本書は現代にもつながる日本と日本人の頑迷さ、戦略性の無さを浮き彫りにしている。敗戦までの時代を扱っていながら、今の日本をも考えさせる本である。(2003.9.21)謎の大王 継体天皇(水谷千秋、文春新書)
6世紀初め、応神天皇五世の孫を称して、近江(あるいは越前)から突如やって来た継体天皇。新王朝の創始者か? その死に関わる政変とは? 応神以降の大王達や継体が皆同じ父系の王族とする根拠は少し疑問だが、古代史ファンには読む価値あり。(2001.12.16)チェーザレ・ボルジア/あるいは優雅なる冷酷(塩野七生、新潮文庫)
ルネサンス期、法王の子に生まれ、イタリア統一の野望を抱いたマキャベリズムの体現者、イタリア版信長になり損ねた男の話。武家の棟梁の条件(野口実、中公新書)
著者は、日本人の武士像は実像からは程遠く、美化されていると説く。例えば文武に秀でた英雄とされる源義家は、今で言えば広域暴力団の組長と比較すれば考えやすいという。また頼朝や藤原秀郷らに触れながら中世武士の実像を探る。男子の本懐(城山三郎、新潮文庫)
昭和初期、首相浜口雄幸と蔵相井上準之助が金解禁に賭け、そして共に凶弾に倒れるまでを描く。少しアナクロなタイトルは、浜口が東京駅で狙撃されたときの言葉。小泉元首相の祖父、又次郎も登場。坂の上の雲(司馬遼太郎)
日露戦争を主な舞台に、陸軍と海軍に分かれた秋山好古、真之兄弟を軸に物語は展開する。明治日本が目指したものと、その行き着く先を暗示する。松山出身の友人同士、真之と正岡子規の交友も興味深い。最後の将軍(同、文春文庫)
15代将軍、徳川慶喜の生涯。同時代のどの大名よりも頭が切れ、尊皇攘夷の水戸家の出身ながら開明家。幕閣から最も恐れられ、嫌われながら将軍になり、固陋な島津久光を戴く薩摩によってその座を追われる。慶喜の魅力だけでなく、歴史の皮肉もこの作品の面白さ。
あぁ、監督(野村克也、角川oneテーマ21(新書))
この本はヤバい。古今の有名監督達をバッサリ斬りつつ良いところは評価している。鶴岡監督への複雑な感情を吐露しているが、以前よりは柔らかくなったかも? 最も尊敬するのが川上、ライバルと認め意識していたのが森というところや、WBCの監督選考、著者らしい監督論も面白い。(2009.3.14)寛容力(渡辺久信、講談社)
てっきり渡辺は現役選手として台湾に行ったと思っていたが、実はコーチとしてだった。なのに最多勝するなど、台湾時代のエピソードも面白い。名だたる名将たちの下でプレーした経験がいまに生きていることも分かる。「ちゃんと説明し、動機づけを行う」など、どれだけの指導者がちゃんとやっているだろうか。(2008.12.15)野村監督に教わったこと(山崎武司、講談社)
過去に衝突した監督、野村など恩人と言える監督たち。リーダーがすべきこと、すべきでないことを考えさせる。他の選手評も面白い。率直すぎる書きっぷりは、球界関係者も必読?(2008.5.29)屈辱と歓喜と真実と(石田雄太、ぴあ)
2006年のWBCを戦った王ジャパンの真実。続出する辞退者、イチローの気迫、選手と噛み合わない首脳陣、選手間に横たわる溝...当事者・関係者たちの肉声の貴重な記録。(2007.3.14)適者生存(長谷川滋利、ぴあ)
97年、オリックスからアナハイムへ。実力を不安視されながら、主にセットアップとして4年間で25勝21敗16セーブ、解説者も「スマート」と評する男のメジャーリーグ適応の軌跡。(2000.12.11)君ならできる(小出義雄、幻冬社)
彼はやはり、単なるオモロイおっさんではなかった。マラソンに限らず、師弟関係で成り立つ社会全般に通じるような洞察の数々。(2000.10.3)俺達のニッポン(エバレット・ブラウン、小学館)
ドゥンガ、呂比須、アンディ・フグ、ボビー・ローズ...日本で活躍してきた9人のスポーツ選手達の半生と日本への思い。考えさせられます。
DON'T STEP IN THE LEADERSHIP他 - DILBERT BOOKS(Scott Adams, Andrews McMeel Publishing)ほかには、「フリードリヒ大王」(飯塚信雄、中公新書)、「戦略的思考とは何か」(岡崎久彦、中公新書)、「英雄達のバラード」(落合信彦、集英社文庫)、「パイナップル・アーミー」(工藤かずや、浦沢直樹)、「爆笑問題の日本原論」(爆笑問題、宝島社文庫)、「三國志」(吉川英治)...
米企業で技術者として働くDilbertと同僚、上司、飼い犬らとのお馬鹿な日々を描く漫画。勤め人の頃からファンでしたが、意外とやってることは日本人と変わらない?スラムダンク(井上雄彦、集英社)
2年毎くらいに読み返したくなる漫画。単なる娯楽や感動作として読むのでは勿体ない。「明確な目標を持つのが大事」など成功の条件も読み取りたい。動物のお医者さん(佐々木倫子、白泉社)
獣医師を目指すH大獣医学部の青年と彼を取り巻く人々、動物達を描く漫画。シベリアンハスキーブームのはしり的な作品。
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