あー、ピッチが終わってしまった_| ̄|○
今年の感想はそれに尽きる。
もうだいぶ自分自身がぴっち脳に冒されているとは思うのですが、それでももうこの喪失感はどうすれば…。
買ってきたDVDボックスをみたり最終回を繰り返し見たりと、ちょっとしばらくは離れられそうに無い。
続いていた期間が長かったというのもあると思うが、いつの間にかもう土曜の朝はピッチがあるのが当たり前だった。
前日どんなに遅くても8時には起きて、ピッチを実況に参加しながら見る。
本当に不思議な番組だった。何がここまで自分の心を掴んだのかは分からないけれど。
抜けるような青空の番組。どんな時でも、これをみると「馬鹿だなー」と笑って明るい気持ちになれる、そんな番組だった。
戦わないから?とんでもない超脚本だったから?
無論、それもあるだろう。
しかしこの番組は、みんなに愛されていた。その一点に尽きると思う。
視聴者にはもちろん、出演者にもスタッフにもとても愛されていた(DVDボックスのコメントをみたりするとよく分かる)。
みんなの気持ちが、とても綺麗に通い合っていた。
マイナーアニメ扱いされていたから、というのもあるだろうけれど、そこには間違い無く連帯感があった。
批判の声を余り聞かないのは、視聴者で合わないと感じた人間は早々に切って見ていないからだろう。文句をいいながらも見る、という類のアニメではないのは明らかだし。
それはそれで間違いではない。この番組が万人に受ける番組とは到底思えないから。
ただ、僕にはこの番組は波長が合った。能天気なヒロインの声も、やばいデスボイスも、B級好きな自分にまさにピッタリだった。
ネタアニメ。そんなつもりでこの番組を捉えていた。
だがいつからか、それはとても快適な時間になっていた。
優しい世界、というのとは違うけれど、癒しではあった。敵はいるが戦わない。ただ歌うのみ。歌を聴くと何故か苦しみ、退散する。敵が歌うこともあり、その場合はマーメイドプリンセス側が苦しむ。
しかし決して暴力的ではない。そこには予定調和的……というより、演劇やレビューをみているような感覚があった。
しかしピッチは、決して退屈な繰り返しの物語ではなかった。確かに話はほとんど進まないのだが、そこには毎回驚きが満ちていた。
こちらの予想だにしない展開はもちろん、いやいやそれはどうなんだよ!?と言いたくなる様な突込みどころがこれでもかと待ち受けていた。
船沈むの早っ!?とか、歌ったらハイメガ粒子砲が出てきて津波が消えた!?とか。それを作為的ではなく、天然でやっているところが独特の雰囲気を醸し出していた(後期は意図的なところもあったけれど)。そのうちに、何があっても「ピッチだから」の一言で済ませられるぐらい、それは当たり前のように受け入れられた。
放送事故が何回かあったのだが、それすらも「ピッチらしい」の一言で誰もが笑って受け入れた。そこまでにこの番組は波長があった者の心を捉えていた。
前番組のミュウミュウは作画がその役割を果たしていたのだが、ピッチにおいては脚本と演出がその役割を担っていた。
今日はどんな展開をみせてくれるのだろう。それが楽しみで仕方なくなっていたのだ。
また、登場人物たちが敵も含めて、誰もが憎めなかった。これは戦わない、ということから起因しているのだろうが、皆暴力的ではなく、どこか抜けた一面があった(みかるやミケル等、ピュアの人物は一部微妙でしたが…)。
主人公三人が喧嘩して敵に説教される「PinP」や、とにかく勢いだけで突っ走る「みつかいたちのゆううつ」などは、その最たるものだっただろう。憎むべき敵ではなく、誰もがぴちぴちピッチの「登場人物」だった。
さらに、中の人…すなわち、出演者も重要な要素だった。主役三人のうち二人が声優初挑戦、というすごく危険な(しかし今にして思えばとてもピッチらしい)キャスティングだった。当然のように最初の頃は演技も不慣れな感じで、最初に聞いた歌はまさに耳を疑いたくなるような(そしてB級好きの自分をひどく喜ばせるような)状態だった。
しかし、自分が順応したのか演技がうまくなったのか(おそらくその両方)、もうその声無しではありえないくらいにはまるようになっていた。特にるちあ役の中田さんの演技は、底抜けに明るく、このアニメにふさわしい声だった。この能天気な、どこか鼻にかかった声を聞いては、もうこちらも明るくなるしかないのだ。
そうして主役の声に慣れても、ピッチはさらにこちらの予想を凌駕した。いくらなんでも一話以上の衝撃はないだろうと思っていたら来たのだ。かれん様が。
自信満々でつむぎだされる彼女のとんでもない歌声は、僕の心をわしづかみにした。
いつでも強気、敵を撲殺するほどの強気。でもあの歌声。凄い。凄すぎる。普通ならありえない。でも、ピッチならおいにありえる。
僕はもう完全にピッチ脳に冒されていた。
曲も名曲揃いだった。ピッチの代名詞ともいえる「Legend
of Marmeid」や敵の「黒の協奏曲」、かれん様のデスボイス炸裂の「オーロラの風に乗って」など、すべてが物語と共にあり、またすごくマッチしていた。本編とは関係ないキャラクターソングを出すアニメは多いけれど、これは歌がテーマなだけあってどれもピッチには欠かせないものだった。毎週流れ、ゲームでも聞き…ピッチの曲は常に共にあった。
一番好きなのは「恋はなんだろう」。珍しく戦闘曲ではなく平時の(?)歌で、その底抜けに明るい雰囲気はまさにピッチだった。
そういった、すべての要素が絡み合って、ぴちぴちピッチという作品が成り立っていたのだと思う。演出も、脚本も、出演者も、視聴者も。どれか一つでも欠けていたら、あるいは存在しなかったかもしれない奇跡。それがピッチだった。
もっと長く続いていたら、セラムンやどれみのように「もう早く終われ」という気持ちになっていたかもしれない。まだ見たい、その時期で終わるのが一番いいのだろう。
しかしそれでも、「まだ見たい」、そう思わずにはいられないのである。
ともあれ今はお礼を言おう。いつも晴れ渡った青空をみせてくれてありがとう。決して届きはしないだろうけれど、果ての無いアンコールを送ります。
ピッチに関わった全ての方に、心からの感謝を。決して他にはない素晴らしい作品、ありがとうございました。関わった方全ての方を、これからも応援します。
誰もがいつかはここを旅立つ日が来ても、私は忘れない。