9/17「マスターアリア暁に死す」


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 業務連絡。君の望む永遠の再販は10月からになるそうです。

 毎年二回、夏と冬に大学のサークルで合宿が行われる。内容は、ひたすらテーブルトークRPGをすることだけ。
 で、今年も(大学を卒業してもう二年経ったが)それに参加してきました。
 ネタがマニアックすぎる気がしたのでいつもは書かなかったが、よく考えたら普段書いていることのほうがよほどマニアックなことに気づいたので、初めてその内容について書いてみようかと思います。
 GM……ゲームマスター。シナリオを作ってみんなに遊ばせる人のこと。
 PC……遊ぶ人。
 セッション……一回のゲームのこと。一セッションはひとつのストーリー(シナリオ)をこなすことと思って差し支えなし。
 キャンペーン……何回もセッションを繰り返した、大きな話のこと。

 僕が参加したのは木曜〜日曜朝の約四日間。といっても、初日は午後から始まるので、実質三日間ですな。
 まあ色々あったのですが、とりあえず僕がGMを勤めた二日目のことを書こうと思います。

 本来はガープスをする予定で、「ジュラトリッパー+ガンパレードマーチ」な感じでシナリオを組んでいたのだが、ここ一週間くらいから急に「君の望む永遠」ネタが入ってきたので、封印することにした。ホントに影響されやすい性格だな、俺。「写真」とか「丘」はねーだろ。
 代わりに遊ぶことにしたのが、最近発売された「ドラゴンアームズ」というファンタジーロボットゲー。最近主流の(システムが)ライト系RPG。ていうかこのシステムってエルジェネそのままじゃん。同じ会社とはいえ、同じシステムを別々のルールとして出すなよな。4000円って高すぎるぞ。
 で、なんで買ったかというと「ガンパレードマーチ」が再現できるから、という話だったから。が、システムを見る限りどうも無理っぽい。むしろ「よくある」ロボットアニメを再現するためのシステムだな。戦闘中に会話することでパワーを貯めることができるあたり、いかにも富野アニメをやれといわんばかりだ。
 その割に敵は正体不明の機械軍団。この辺りはガンパレだな。

 まあグチグチ言ってても始まらない。買ってしまったものは仕方ないのだから、有効利用しないと。
 基本的に最近のゲームは長期で遊ぶことは考慮されていない。その証拠に、数回遊んだだけですぐに底が見えてしまう(これを積んだ、という)。そんなゲームを、低レベルでちょこちょこっと遊んでも仕方ない。どうせ数回しか遊ばないなら、おいしい所はすべて味あわないと損だ。
 ということで、前々から考えていた計画、「一日でキャンペーンをやろう計画」を実行することにした。一日で低レベルから高レベルまで一気に成長し、キャンペーンの最初から最後までやってしまおうというのである。

 最初は全五話を予定していたが、時間がかかりそうなので全三話に変更してプレイ開始。

 ここで、俺は非常に反省しなければいけないのだが、シナリオを考えていなかった。最近いつもこうだ。もちろん、まったくシナリオを考えていないわけではないが、ほとんどメモ書き程度のものだ。シナリオの全文を公開しよう。

 まずは当初予定していた全五話のシナリオ。

@通常戦闘。明日は姉と先輩の結婚式。だが、戦闘中PC1をかばって行方不明に。
A偽りの閃光。先輩敵として登場。敗北すると戦うのをやめるよう警告。
B主砲発射。せまるMISTの大軍。主砲発射のときが来た。だが、その前に姉がさらわれたという話が。
あゆ出撃。規定ターン内に敵を全滅せよ
C緊急浮上。余勢をかって月へと出撃。しかし、そこに現れた先輩(もしくは姉)から意外な事実が語られる。
なぜMISTが現れるに至ったのか。そこには、かっての実験の失敗があった。
D最終決戦。すべてを乗り越え、今最後の戦いが始まる。

 次に、全三話にすることにしてからのシナリオ。

@始まり。学徒出陣。日常生活。途中から警告音。先輩と出撃。途中から先輩いなくなる。
A裏切りの先輩。
Bサンプルシナリオ。

 ちなみに、MISTとは敵の名前、PC1はプレイヤー一人、あゆは「君が望む永遠」の大空寺あゆのことだ。この場合は「こんな感じのキャラクター」という意味で使っている。
 後はこれに人間関係を書いた表、これで全部だ。

 こうして見ると、シナリオというよりは、ただの大まかな話の流れに過ぎない。あらすじといってもいいだろう。本来ならこれを元にシナリオを作るべきところだ。
 その証拠に、先輩がなぜ裏切ったのかの記述がどこにもない。「かっての実験の失敗」もまったくの意味不明。真相は考えておらず、その時になったらなんとかするつもりだった。
 実際に使用した全三話のシナリオにしてもそう。先輩がなぜ裏切ったのか、その理由は第二話で先輩が死ぬまで俺にも分からなかった。というか、先輩が死ぬのかどうかも決めてなかった。
 結局のところ決まっていたのは「先輩が裏切る」、ただこれだけでしかない。第二話に至ってはどんなシナリオかも不明だ。
 もっとも、このゲームはGMが決めた人間関係が重視されるので、その点ではとりあえず人間関係だけ決めておけば後はプレイヤーが勝手に動いてくれる、という思惑はあったのだが。結局、すべてはその場のノリで決めていこうと思っていたのだ。

 で、ここからは実際のセッションの話。
 実際のところ、シナリオを始める最初は頭が空っぽだった。シナリオの出だしすら考えていないのだから当たり前だ。だが、このスリルが楽しかったりもする。世界の説明をしながら、どんな出だしにするかを練る。といっても、たいしたことは考え付かないので、一度やったサンプルシナリオの出だしをそのまま流用することに。やはり、どうしてもありきたりな出だしになってしまうな。
 場所は学徒兵の訓練終了パーティ。「士魂微章を受章したところ」という言葉に反応するプレイヤーを見て、「ガンパレネタはいけそうだな」と判断する。あらかじめ誰が参加するかわからないので、ネタに対する反応で、何なら話のネタに使えるか、を探っていく。
 そして、裏切る予定の先輩を登場させる。この辺りもサンプルシナリオまんまだな。「飲みに行くか」と言って今後の展開につなげ、とりあえずそのシーンを終了。もちろん、この段階で飲みに行った後どうするかはまったく決めていない。
 シーンが変わって学生以外のPCの場面へ。先輩の婚約者である姉がいる、という設定をPCに押し付ける。
「実は君には姉がいたのだ」
「僕は一匹狼です」
「ところがいたのだよ」
 と強引に押し付ける。最初の設定段階なら、PCは割と素直に受け入れてくれるものだ。姉のいる人は誰でも良かったのだが、彼は昨日のゲームでかなり暴走して、GMを困らせていた人だ。正直言ってどんなプレイをしてくるのか不安だった。そこで、話に絡みやすく分かりやすい設定を割り振ったのだ。
 姉に婚約者がいて、明日結婚式であるということを告げる。「明日からは一匹狼だ」と、本人の言っていた設定を早速ネタに用いる。本人の漏らした何気ない言葉を覚えておき、後で使う。その場限定の内輪ネタだが、セッションの盛り上げにもってこいだ。というか、こうやって場をつないでいる俺。
 先輩と姉を会わせ、これからどうするかを尋ねる。「二人の邪魔をしたら悪いのででかける」という言葉を引き出してセッション終了。正直、家にずっといられたら他のPCと絡められないのでホッとする。

 もう一人のPCはまったくネタが思いつかなかったので、「無目的に町を歩いている」と言ってしまう。とりあえず先輩(PCと知り合いという設定)と姉のカップルに出会わせ、ネタを振っておく。この後、プレイヤーが寝てしまうので彼に対するネタふりはせずに済んだ。助かったぜ。

 そうして、町で全PCを引き合わせる。全員集合は俺が良く好む手段で、こうすれば全員ゲームに参加した上で話もやりやすい。このゲームはPC同士で人間関係が定められており、その設定を演技することでポイントがもらえるので黙っていても演技はしてもらえるのだ。

 以上が「日常生活」という四文字だけで作ったシナリオ。実際は作ったというよりサンプルシナリオそのままというべきだが。

 そろそろいいかな、と思ったので警報発動。バトルシーンへ移行。この辺の流れもサンプルシナリオとまったく同じ。
 で、軽くザコとの戦闘。戦闘の途中に先輩を出す。あらかじめ
「彼のメッセージは常に『…………』だよ」
 ということで、みんなのつっこみを予防する。なにせ、どうして裏切るかは俺にもわからないので、下手に聞かれては困る。まあ、聞かれたらその場で何か設定を作るのだろうけど。
 結局、PCの一人の機体を破壊して行方不明になる、ということにして第一回のセッション終了。最後まで先輩は黙ったまま。

 とにかく場をつなぐためのネタが欲しかったので、昨日のソードワールドではやっていたシスプリの亞里亞ネタを活用。昨日は彼女のゆっくりしたしゃべり方をみんな真似て遊んでいた(昨日のキャラクターの一人が亞里亞プレイをしていて、みんなそれに伝染した)。プレイヤーがほとんど同じ(その張本人はいなかったが)なので、みんな昨日のネタを引きずっていた。
 これは使うしかない。師匠持ちのPCが「マスターアリア」という言葉をもらしたので即採用。何かにつけて「あーりーあーもー」というだけの師匠を登場させる。ギャグと同じで、こういった言葉だけのギャグは繰り返し使うことで効果が出てくる。そのうち、みんなが使い出したのでこれでセッションのノリは確保。こういうストーリーと関係ないところでみんなのテンションを高めるのは卑怯だろうか。

 通常の四倍の経験点を与え、第二回のセッション開始。
 こちらはシナリオ何もなし。裏切った先輩が出てくることしか今の俺には分からない。
 とはいえ、状況はすでにある。状況があればシナリオはなくても進んで行く、というのが俺の考え。もちろん、だからと言ってシナリオを考えなくていい、などとは思わないけど。
 そういうことで、とりあえず撃墜されたPCの話から始める。成長で二階級昇進していたので、死んだと思われて二階級特進した所に生きて帰ってきた、という設定をつくる。

 なぜ裏切ったのか、を探ろうとするPC達。俺にもわからない。が、「先輩は実はMISTである」という設定を決定。人型のMISTがいる、という設定をさっき読んだのだ。
 そこで、先輩の経歴は一切不明、という設定が導き出され、それを元にNPCの演技を行う。途中で「先輩、実はロボットやったりしてな」という言葉にビビる。ま、誰でも考えつくことなのだが。そう、アドリブシナリオは設定は実に陳腐なものだ。普通にやればみえみえの展開にみんな飽きてしまうから、その場のノリでつないでいくことになってしまうのだ。
 その後適当なタイミングを見計らって第一話と同じく全員集合後、出撃。先輩の婚約者である姉が無断で先輩が向かったMISTに向かってしまったので、それを救出するのが作戦だ。
 戦闘自体はなんてことなくクリア。最後に先輩の口から真相を語らさせる。真相といってもみんな予想通りの「実はMISTのスパイだったが姉を愛してしまい使命と愛の間で悩んだ」というものだが。
 そして、「MISTの大軍が攻めてくるから逃げろ」という言葉と共に、先輩は爆発してしまうのであった。いうまでもなく、最終話への引きである。

 そして、最終話は付属シナリオをプレイ。現れた最強MISTの内部に突入するため、マスターアリアが特攻する。本来のシナリオでは別の人間の役目だが、まあこちらの方がよいだろう。プレイヤーも盛り上がったし。
 内部ではこれまた最強のMISTが出現、こちらはPCの自爆で突破。まあ最終回らしいというかなんというか。

 ということで、一日キャンペーン計画は無事終了。いろいろ反省すべき点があったが、次回に活かすことができるだろうか。