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新人の季節といえば日本では春だが、通年採用・途中入社が当たり前のイギリスに特定の季節はない。
そんな中、わが街の唯一のバス路線 「9」 Fairfield Park 行きのバスドライバーにそばかすも初々しい青年が仲間入りした。
この路線はいつも特定の運転手が交代で走るため、住民と運転手はたいてい顔見知りだ。
そこに見なれない坊ちゃんがやってきたのだ。
お金は前払いで、乗車時に運転手に目的地を告げて切符を買う仕組みだ。
切符の発券機を運転手が操作して値段を計算し切符を出す。
バス停には名前がないため、通りの名前や近くの店の名前を告げるしかないが、
旅行者や、はじめていく場所ならそんなもの知ってるはずもない。
バスは田舎のハズレの路線のためマイクロバスの様に小さい。
老婦人が乗ってきた。近所のオバチャンだ。いつもの様に目的地を告げる。
「ミルソン・ストリートまで」、切符の値段は1ポンド65ペンスであるべきだった。
しかし坊ちゃんの告げた値段はそれよりも安かった。
「1・65のはずよ」と言っても、「まあ、機械が安い値段を言ってるからいいじゃないか」と、
とうとう安い値段で乗せてしまった。機械の操作が間違っていたんだと思うんだが…
交差点に来ると左右に座る乗客が「右はいいわよ」「左もいいぞ」と坊ちゃんに声をかける。
みんな心配してるんだな〜。「OK」、声は明るく元気だ。おいおい、自分でも確認しろよ…
三叉路にやってきた。坊ちゃんが後ろを振り返る。「ここは右かな〜左かな〜」、一斉に声が上がる。「右だよ、右」。
平日の午後ということで乗客は皆お年寄りだ。若い運転手にかける声はあくまでも優しい。
日本でこんな運転手がいたらどうなっていたかと考えざるをえない。それを思うと彼に言ってやりたい気分になった。
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