アンタエウスの常温飼育の可能性

 
 当たり前のようにエアコン管理で飼育されているアンタエウス。 生息地の気候からも日本の高温多湿の夏
 には耐える事は不可能のようだ。 しかし虫にエアコンを24時間かけることのできる環境の方ばかりでなく、
 少しの工夫でなんとか、このアンタエウスを累代飼育する事は不可能なのであろうか???
 
 ビギナ−の方に言えることは、「必ず夏季はエアコンで管理してください。」です。 
 ギネスを狙うなら16℃〜18℃あたりで緩急をつけて2年程度かけるつもりでじっくりと底面積のある
 大型菌糸瓶で飼うというのはいかがでしょうか? 
 

 ここでは私が、管理している状態をご紹介します。 これはまだまだ発展途上中ですけどね(^_-)
                           決してマジで真似しないで下さいね。

 経験上、ある程度の環境と注意点を考慮すれば、全く飼えない事もないということはいえるんでしょうね。

 

 
 私の飼育環境
 
 神戸市内の商業地域の駅前マンション8階
 神戸は都市部が海に目面しており関西でもかなり暑いと思います。 幸いにも私が虫を置いている
 部屋は北側でド−ンと下から吹き抜けの完全に日陰部屋です。
 マンションの北側は目立った高い建物がすぐなく通風が良いのです。 南の窓と対角線に開けている
 とかなり風通しがよく、夜は扇風機でしのげます。 実際このマンションに越してきてから夜間エアコン
 をかけて就寝することは、ほとんどありませんでした。 
 虫の部屋の最高気温は、毎年30℃です。 また最低気温は1月・2月の15℃程度です。
 ですから
「人間にエアコンかけへんのに、なんで虫にかけるか?」という自分内の意識もあります(笑)
                                               だから意地になります(^_-)

 


 
 高温と蒸れ  
 アンタエウスは、前述のようにとても高温に弱いです。
 アジアというと暑いイメ-ジがありますが、基礎知識編で言うようにかなり高地に生息します。
 また国産オオクワのようにドライな環境でなく「コケ」の生えた樹木にいるということから、湿度も高い
 のを好むようです。 
 洞というより、このコケの生えた樹皮の裂け目にはさまっているらしいですね。
 常温の夏では、「高温」「乾燥」「蒸れ」が大敵です。 私の環境では、初夏〜晩夏まで蛹化〜羽化も
 可能でしたが、人工蛹室の乾燥により翅に皺が出たような個体もいました。
 羽化後に安定するまで弱いためオアシスなどで管理する場合は、乾燥蒸れにきは注意です。 
 数十センチ上部に置くと温度は高くなります。
 ケ−スの通風に注意してせっかく羽化した個体を殺してしまわないようにお気をつけ下さい。
 私は初期にせっかく無事に羽化の♀の保管で数匹管理不行き届きから殺してしまいました。

 



 夏季のリスク

 私の環境での夏季上限は30℃です。 この場合を例にとってお話します。
 
 成 虫
 餌は食べます。 ケ−スのクリアシ−ルドなどで囲わず蓋を新聞紙等の虫よけに替えて
 通風の良いようにします。 できるだけマットを敷いて保水を心がけます。
 そして前述のように低めの位置で保管した方が良いと思います。 この温度では産卵は
 しません。
 
 幼 虫
 ほとんど餌は摂取しません。 ダラ−ッとしていて縮みます。 
 いかに初夏までに太らせて縮みしろを考慮しておきたいところです。 いわば夏眠状態ですね。
 温度が徐々に下がると、待ってましたと蛹化する可能性があります。
 また飼育方法として菌糸瓶は、菌糸自体が30℃程度で適正に活動できず、ドロドロに変質
 する可能性があります。
 マット飼育も同様にマットの乾燥、腐敗・雑虫の発生・再発酵などがおこりやすく注意が必要
 です。  国産オオクワガタに比べアンテ・オオヒラタはバクテリアを撒き散らせて環境を整
 えるようですので瓶内の劣化も早く、水分量も高くなりがちです。
 エアコンをかけない場合、瓶を水につけることにより2℃程度の温度を下げることは可能です。
 この際、樹脂容器ですと幼虫が齧り浸水しますので、重さもあり温度の下げやすいガラス瓶を
 お勧めいたします。
 また縁の下地下室を利用することにより避暑できるとも聞きます。
 
                 

 このように瓶を沈めます。 驚くのはたくさんのダニが夜な夜な出てきて溺れ死ぬことです。
 笑うほどダニが水面に浮きます。 灰色になります。 あ-汚い。
 ダニと人間の世界を絶縁するにはこの城の外堀作戦が効果的です。 また植木鉢の下に敷くの
 に薄く水をはるのもいいですね。 この手のダニは人間にも直接害はないと聞きますが死骸を
 吸うとどっか悪くなるでしょう。

 蛹 羽化 蛹化
 人工蛹室の場合、かなり乾燥します。 また加水しすぎると蒸れます。
 この時期の蛹化・羽化は最もリスクが高いです。
 私の環境では盛夏に羽化もできましたが、翅に皺が多少残ったりしました。 適度な保湿といっ
 た点が難しいようです。 蛹化も羽化も事実上にはしますし、可能ではあります。

 冬期の常温飼育  極寒でないかぎりそれなりに寒いですが室温16℃〜18℃程度。
 
 アンテのは場合、私の環境では成虫は餌をとり幼虫もマットを食べています。
 ペ-ス的にどうかといえばごく普通に生活しているように見えます。
 ただ産卵に関しては、10月・11月の18℃〜20℃がよく16℃前後では産卵数もほとんど
 なく(ポロポロ程度)少し保温して20℃前後にすると産むようです。
 

    

常温飼育下での幼虫最大体重と期間

産    地 最大体重g  羽化体長 孵化〜羽化期間 3令の期間/月 飼育方法
ラオス 42 78 12ヶ月 2〜10月 マット飼育
ラオス 31 72 12ヶ月 3〜10月 マット飼育
ラオス 38 78 12ヶ月 3〜 1月 マット飼育
ラオス 25 72  9ヶ月 4〜 7月 菌床飼育
NE 26 71  8ヶ月 2〜 6月 菌床飼育
NE 32 75  7ヶ月 2〜 6月 菌床飼育
NE 35 77  8ヶ月 2〜 9月 菌床飼育
NE 38 80 13ヶ月 3〜11月 マット飼育
NE 36 81 13ヶ月 4〜11月 マット飼育
NE 39 79 12ヶ月 2〜10月 マット飼育
NE 42 80 15ヶ月 2〜12月 菌+マット
ブ−タン 31 80 16ヶ月 3〜 1月 菌+マット

完品での羽化の個体 3年程度の大型または目安になる個体のサンプルです。
菌床+マット飼育法は夏季に菌床からマット飼育に転換したものです。

◆この表での感想として

マット飼育の場合、比較的軽くても大型化することと、菌床の場合温度も手伝って成熟が早くあまり私の
環境ではよい成果が出ていないこと。
また菌で3令まで育て、夏季にマットに転向し一瓶食わせるとそこそこ好結果が出ていること(この際、別述
のようにかなり保冷剤で冷やした) 私よりもっとマメな方が同条件でされると良い結果ががでると思います。


Warning

このホ−ムペ−ジで報告していることは、全く私の個人的な意見であり
決して正しいことではありません。
また違う環境のもとで飼育された場合に起きた不具合などの責任は、
一切負いかねますのでご了承ください。