第7号
昨年11月のアンケートの中で、記入してくださった情報や質問をまとめてみました。また、2年間に渡り、廃液量調査にご協力いただきましたが、昨年12月、神戸支部では、廃液物処理企業の<アサヒプリテック>の見学会が行われ、その際、日頃、我々が知りたかった情報を得ることができました。その報告を頂いておりますので、ぜひ参考にしてください。防災講座では、よくわかっているけど慣れてしまってつい怠りがちな実験上°基本的な注意″をあげてみました。実験テクニックワンポイントアドバイスでは<こぼれた水銀の回収方法>について掲載します。
アンケートの結果
研修内容等の希望に関する結果については次回(平成13年度10月)の研修会に向けて研修所に検討していただきました。また、懇親会についても係りの方で検討しています。
| 情報コーナー |
※「透明な石けん」としてショ糖を入れて作ることがある。
※生徒実験で班別に小出しにした試薬は、終了後回収し、空になった薬品のビンを利用して保管しておき、次回に使う。
※ラベルは、紙製ではなく、ヒニールテープを使い一般薬と劇毒物を色で区別している。またビニールテープの上に油性ペンで描いたり有機溶剤で消すことが可能である。
| ゆずりますコーナー |
飼育している生物教材で譲っていただけるもの(H12・11現在)
※ゾウリムシ(観察・走性の実験)・・・・・・舞子・伊川谷北・三田西陵・県西
※プラナリア (再生の実験)・・・・・・・・・舞子・姫路工大付・御影・県西
※ポルボックス(観察・走性の実験)・・・・県西・三田西陵
※ミカヅキモ(顕微鏡観察)・・・・・・・・・・・伊川谷北
※ヒドラ(顕微鏡観察)・・・・・・・・・・・・・・・県西・伊川谷北
※プレファリスマ・メダカ・アメーバー・・・・県西
※ブラックバス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・姫路工大付
| 質問・疑問コーナー |
Q:使用後の硫黄(粉末・ゴム状など)や、金属片・銅線等の処理は?
A:硫黄・・汚れていないものは再利用。斜方も単斜も砕いて硫黄末として使用。ゴム状のものは斜方に戻るのに時間がかかるので業者処理に委託する。(燃焼すると二酸化硫黄を生じる)
金属片・銅線・・かなり小さくなるまで繰り返し使用できる。銅線も細くなっても切れても曲げて固まりにして銅片として利用できる。
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Q:塩素や硫化水素など有毒ガスの実験の工夫は?
A:さ状ガス発生器(二又試験管)使う。・・・キップの装置を使う。・・・ト゜ラフト内で操作を行う。・・・不必要な塩素ガスは、チオ硫酸ナトリウムを加えて反応させる(ドラフト内で)・・・換気を忘れずに!
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Q:こぼれた水銀の回収方法・オルセインのろ過・ビュレットの先の洗浄方法は?
A:こぼれた水銀の回収方法については、実験テクニックワンポイントアドバイスで紹介。
オルセインのろ過については時間がかかるということであれば、吸引ろ過などをするより、大きめのろうとを使った方が便利(この方が染色液に適している)
ビュレットの先の洗浄方法は、マニュアルp23、ネットワークNo1のp、2を参照。先端をしばらく洗浄液浸けておいた後水洗いすると汚れが落ちやすい。
| 注意!! こんな失敗が |
※硫酸銅水溶液のビーカーにアルミホイルでふたをしておいたら穴があいてぼろほろになった。
※濃◯◯酸の類の容器は、理科用品として購入しても、プラスチックの物はよくないことがあります。すぐには、穴があかなくても、数年後には、割れやすくなったり、容器のにおいがうつったりすることがある。(ネットワークNo6のペットボトルを参照)
※溶液と容器の相性などは、<実験を安全に行うために・・化学同人出版>に詳しく載っている。
| 要望コーナー |
※生物教材(生き物に限らず)や、高価な薬品(ホルモンなど)の希釈液などを譲っていただける情報がほしい。
| 神戸支部施設見学会報告 |
理化学会神戸支部で、神戸市内の廃棄物処理・貴金属リサイクル企業「アサヒプリテック株式会社」の見学会が行われました。担当の方から概要の説明を頂いた後、工場施設を見学しました。種々の工程で回収廃液が処理されるのを間近にし、実験をするうえで直面せざるを得ない、廃液処理の問題について改めて考えさせられました。見学後は、実験廃液の貯留および業者処理をする場合のポイントについてお話を伺いました。
当日のお話は以下の内容でした。貯留方法、処理費用については各業者により違いがあると思いますが、各学校での廃液処理の参考にしていただければと思います。
| 実験廃液の貯留(業者委託を前提として・アサヒプリテックkkの場合) |
※ 最低3種類に分類する。(酸性廃液・アルカリ性廃液・有機廃液)
※ 場所等に余裕がある場合は5種類程度に分類する。
| 区 分 | およその処理費用 | |
| 無 機 廃 液 |
有害物質を含まない廃液 | 200〜250円/g |
| 有害物質(Cr、Cd、Pb、As)を含む廃液 | 350〜400円/g | |
| 有害物質を含まない廃液 | 200〜250円/g | |
| 有害物質(Cr、Cd、Pb、As、CN)を含む廃液(注1) | 350〜400円/g | |
| 有 機 |
有害物質を含まない廃液 | 200〜250円/g |
| 有害物質を含む廃液(注2) | 300円/g | |
注1 本来シアン(CN)は処理費用が異なり(1000円/リットル)、別に貯留すべきだが、アサヒプリテックの場合は高校での実験廃液程度の量であれば混合されていてもともに回収するとのこと。(必ずアリカリ廃液中に貯留すること。酸に加えるのは危険である)
注2 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行で指定の「特定有害産業廃棄物」。高校実験で使用される薬品ではトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1、2_ジクロロエタン、4塩化炭素、ベンゼンなど。
※ 含水銀は上記廃液とは分ける(混合すると非常に割高になる。1000円/g以上)
※ 安全面から考え、酸とアルカリは混合せず分けて貯留する事が望ましい。
※ 廃液物で酸・アルカリがよく分からない場合は、原則として酸の容器に貯留する。(含シアンについては必ずアルカリに入れる。酸に加えるのは危険である。)
※ 無機廃液と有機廃液が混合している場合は、有機廃液として貯留する。
※ 貯留している廃液の中に含まれる金属が何かを記録しておく。(特にCr、Cd、Pb、As、CN)。貯留容器に金属名を書いたテープを貼る等しておく。有機廃液と無機金属廃液を混合した場合も同様にする。
※ 試験管等の容器は少量の水(廃液量の1/10〜 1/20程度)ですすぎ、すすぎ水3回程度も廃液として扱うほうがいい。
※ 沈殿物・固形物はバケツ等で保管し「汚泥」として扱う。試験管の底に少量たまる程度であれば廃液と一緒にしてもかまわない。(300円/Kg、含有害物400〜500円/Kg程度
※ 廃液の濃度は記録しなくて良いが、廃液品を加えてはいけない。濃度の差が大きいので廃液と廃液品はまったく別のものと考えるのがいい。
※ 廃液を試薬瓶等に小分けして貯留するのは、回収の際に瓶の洗浄処理の費用が加算されるため割高になる。
※ 貯留容器は処理業者のものが使用できる。・・・20g容器、通常のポリ容器より厚めで密閉度も高い。容器配布時の運搬費用、容器使用料は無料。1年以上の容借用もできる。(回収液が少量の場合など)
※ 処理費用は容器単位でなく、容器中の廃液量(g単位)で計算する。
その他
※ 破損した水銀温度計・・・・・・・・・・・破損したままの形で固形物として回収。
※ 血液の実験で使用した注射針 ・・・700円(8g容器、容量の異なる容器もある)
※ 回収運搬費・・・・・・・・・・・・・・・・・・5000〜10000円(神戸地区、近隣校と回収日を合わせると折半できる)
※ 廃液品は薬品により費用が異なるので直接来校しての見積もりが必要。薬品名不明の場合は量に関わらず1本15000円。
※ 写真現像液、定着液・・・・・・・・・・・各100円/g程度
☆アサヒプリテックkkの連絡先・神戸営業所・・рO78−431−2981・・・FAX078−413ー2024(担当:家来さん)
☆20名程度までであれば見学も可能とのことです。
| 防災講座4 ―大きな事故を起こさないために(1)実験上の注意 |
一般的な注意
@ 実験台の上は、常に整理し、試薬の混乱を避ける。
A 薬品を入れた容器の口は、必ず人のいない方に向け、反応を観察する場合には、上からのそ゜きこまないようにする。
B においをかぐ場合は、手で鼻の方へあおぎよせ、直接鼻を近づけない。
C 有毒な気体を取り扱う場合には、ドラフト内で行う。
D 火気を扱うときには、引火性の物質を近くに置かない。
E 必要以上の試薬を用いない。むだになるばかりでなく、反応が激しくなり、危険な場合もある。
F 危険な試薬の取り扱いについては十分注意する。(★危険な試薬の取り扱いについては次回掲載予定)
G 廃液は、処理・回収をする。
基本操作
@ 試薬瓶の栓はさかさにして実験台の上に置き、試薬瓶はラベルを上にしてもつ。
A 試験管に試薬をとる場合には、試験管の内壁を伝わらせてゆっくり注ぐ。また、ビーカーにとる場合には、ガラス棒を伝わらせて注ぐ。
B 試薬を取りすぎた場合は、試薬を試薬瓶に戻さない。
試験管に入れた試薬の加熱
@ 水溶液を加熱する場合には、水溶液の量を試験管の容量の1/4以下にする。突沸させないように、円を描くように振りながら、試験管の底の少し上をおだやかに加熱する。
必要に応じて、試験管バサミを用いる。
A 固体の加熱で水蒸気が発生する場合には、水平よりも試験管の口を下げるように試験管を固定する。固体は底につめず、菅壁に広げ、全体を均一に加熱する。
B 引火性の物質の加熱は、湯浴などを用いて間接的に加熱する。
☆第一学習社 「化学U」の教科書より抜粋☆