第6 

 このほど、筑波大名誉教授の白川英樹さんが、2000年のノーベル化学賞を受賞されました。受賞理由は、「導電性高分子の発見と発展」です。この電導性ポリーマの発見につながったりポリアセチレンのフィルム化は「失敗から生まれた」といわれましたが、一方で、「実験は予測しないことが起きるのが普通。それを見ていくと同時に、他の分野を学ぶことが重要。」とご自分の研究姿勢を語られています。さて、前回、薬品の変質について質問がありましたが、今回は、少しでも変質させないために主な薬品の保管時の注意について特集したいと思います。また、ワンポイントアドバイスには、「コロイド溶液の電気泳動」を掲載します。どうぞ、ご覧ください。

情報コーナー

主な薬品の保管時の注意

 試薬は、その保管状態および性質により製造直後から徐々に、または、急速に劣化するものが多く、その速度は、不純物・日光・温度等により促進される。また、容器が不完全に場合にも大気中の酸素や、水分、二酸化炭素により、分解、酸化、重合などの化学変化や、潮解、風解が起こる。これらを経時変化という。経時変化を起こしやすい試薬の購入に際しては、一度に使い切ってしまう量程度とすることに心がけ、使い残しをなるべく出さないことが望ましい。

光に不安定な試薬
 化学物質は一般に250o〜450oの範囲の波長の光に著しく影響され、変化を起こすと言われている。この波長の光は、太陽光以外にも電灯等の人工灯からの光も含まれる。従って、光に不安定な試薬は、褐色びんなどに入れ、さらに黒色紙などで覆い、必ず暗所に置く。
熱に不安定な試薬
 一般に化学反応の速度は10度温度が上昇すると2倍になるといわれている。経時変化しやすい試薬についてもその点に留意して、冷蔵庫や冷凍庫に保存し、できるだけ劣化を防止するように心がける。
酸素に不安定な試薬
 
アルデヒド類、アミン類の多くは大気中の酸素により酸化されやすい、その品質が劣化しやすい。特に酸化されやすい試薬の保管にあたっては、十分に容器の気密性に注意し、場合によっては不活性ガスを封入するのも品質を保つうえで有効である。
水分(湿気)に不安定な試薬
 酸、ハロゲン化物無水物などは、空気中の湿気と反応して変質する。また、吸湿性の試薬は、大気中の水分を吸収して潮解し、劣化をきたす。このような薬品の使用に際しては、手際よく、すみやかに扱い、使用後は、直ちに気密にする。必要に応じてデシケーター内に保存する。
二酸化炭素に不安定な試薬
 強アルカリやアミン類および炭酸より弱い酸のアルカリ塩(exシアン化ナトリウムなど)は、大気中の二酸化炭素を吸収し、炭酸塩に変化しやすい。これらについては、湿気に不安定な物質と同様な注意を行う。

東京化成工業kk編 「取扱い注意試薬ラボガイド」より


ファイルの空き容量の都合でネットワーク1号〜5号を削除しました。
ご要望がありましたらメールhttp://plaza.rakuten.co.jp/penginhk/でお願いします。