プランクトンの培養とそれを利用した実験

飼育・培養しているプランクトン類とそれを利用した実験

プランクトンなど 利用している実験 プランクトンなど 利用している実験
ゾウリムシ
テトラヒメナ
(小型のゾウリムシ)
顕微鏡観察
走性(走電性・走地性)  
オオカナダモ
カナダモ
シャジクモ
顕微鏡観察
(原形質流動、原形質分離・・浸透圧)  光合成
プレファリスマ 顕微鏡観察 ムラサキツユクサ
ツユクサ
メキシコムラサキツユクサ  
原形質流動・減数分裂・体細胞分裂・花粉管伸長 
ミドリムシ 顕微鏡観察 ユキノシタ 原形質分離
ミカヅキモ・ボルボックス 顕微鏡観察 ショウジョウバエ 遺伝
ミジンコ 顕微鏡観察 アフリカツメガエル  発生
ヒドラ 観察・再生 プラナリア 観察
アメーバ 観察 メダカ・ザリガニ  その他に利用

培養方法

1.ゾウリムシ(含 テトラヒメナ)

 ワラ浸出液法(注 1)での培養が多い。蒸留水、脱イオン水、汲み置きの水、市販のミネラルウォーターなどを使用。水にするワラは、どの学校もおよその分量(1gにたいし8〜10本のワラを切って入れる。2gにたいし4〜5pに切ったものをひとつかみなど)で作っている。一度マニュアルの分量で作り、2回目以降は1回目の液の色を目安にする。培養液を多く作り保存して置く場合は容器にアルミ箔で蓋をして蒸留滅菌をしておくとよい。 

 定温器等で培養温度を一定(20〜25℃)学校も多い。夏季は室温、冬季は定温器、夏季は冷蔵庫。実験に使用しない時期なら、培養液を足さず室温で放置してもシスト(注 2)の形で保存できる。この場合は再開時に増殖がみられないこともあるので、培養する容器の数を多くしておく方がよい。

 マニュアル記載以外の培養法

   1)『六甲のおいしい水』(注 3)に豆乳を数滴落としたものを培養液とする。  2)瓶にワラをいっぱいに入れ、煮沸した水道水または『六甲のおいしい水』を加える。→ 乾熱滅菌(150℃ 30分または120℃) → 冷却 → ゾウリムシ接種・培養  3)水1gにたいし、ワラ(0.5〜1cぐらい)と乾燥レタス(0.5〜1c)を入れ煮たものに、麦粒(湯がいたもの)を加える。 4)ワラ浸出液を使用し餌としてドライイーストを加える。

2.プレファリスマ(注 4)   

 ワラ浸出液でゾウリムシと同様に培養。(光が入らない方がよい)

 チョーク液(注 5)に米粒を加える。

3.ミドリムシ 

 マニュアル記載以外の培養法・・・滅菌水に播いて直接日光の当たらないところに置いておく。密度が大きくなったら植え継ぎをする。

 定温器を使用。

4.ミカヅキモ・ポルボックス

 腐葉土に汲み置きの水と水酸化カルシウム1〜2粒を加え、煮沸し、水が透明になるまで放置したものの上ずみ液を使用。(土の質により培養できないことがある。)

5.ミジンコ・ヒドラ

 ミジンコは水槽、ビーカー、空き瓶等に畑の土や腐葉土を入れ水を加えた容器で培養する。餌はドライイーストを使用。

 ヒドラは購入したカナダモに付着していることも多い。ヒドラの餌としてミジンコを与える。ミジンコ類が繁殖している水槽の中であれば、特に与えなくても自然に培養できる。

6.プラナリア

 培養には腰高シャーレを使用。餌はレバーを冷凍保存して与える。(週1〜2度)。飼育温度は15〜20℃。汲み置きの水を使用し、餌をやった後または1ケ月に一度は水を替える。

7.アメーバ

 チョークレー液で培養。(米粒2〜3粒と、えさとしてテトラヒメナ、キロモナス等を入れる。)

注1.ワラ浸出液法(マニュアル記載の方法)

  4〜5pに切ったワラ(10g)    バクテリア接種          ゾウリムシ                   +  煮沸        →    冷却後ろ過  →   →     接種・培養                 蒸留水(1g)           24時間放置          (25〜27℃) 

  麦を15〜20分間煮沸、冷やしたものを2〜3粒入れるとよい。

  継代の場合は、古い培養液を2/3ほど捨て、新しい培養液をおぎなうだけで、バクテリアを新たに接種しなくてよい。

  ワラを使用する培養法は、純粋培養には不適だが継代には簡便。増殖率は低いが長期保存には適する。

注2.シスト・・・襄子、包子、披襄体ともいう。原生動物または下等な後生動物が体表に堅固な膜(包襄)を分泌して一時的に休止のような状態にあるもの。
注3.『六甲のおいしい水』市販のミネラルウォーター。ゾウリムシの場合だけで無く他のプランクトン類の培養にも適しているのでは、という回答がある。
注4.プレファリスマ・・美しい紅色をした繊毛虫。動きがゾウリムシより遅く観察しやすい。                              
注5.チョークレー液・・・塩化ナトリウム(10c)+塩化カリウム(0.4c)+塩化カルシウム(0.6c)+蒸留水(1g)・・・使用する時に100倍に希釈する。

 

プランクトンの培養とその実験については『実験準備マニュアル』183p〜191pを参照してください。